〈後編〉北京の蟻と鼠は大成を夢見る


看板にも書かれていたように、狭い部屋が150元。広い部屋で600元だ。暗く狭いイメージを少しでも払拭したいのだろうか、カベにはカラフルな女性向けのステッカーが至るところに貼られていた。

紹介された中で最も狭かったのがこの部屋だ。悲惨さを少しでも緩和させるためか、装飾だけは賑やかだった

こうした区切られた部屋はなにも地下だけでなく、上層階にも存在する。案内してもらった11階の物件が衝撃的だった。まずキッチンにベッドがある。そのすぐ隣りは、燦々と照る窓。そのほか、2畳ほどの部屋では、部屋の電気スイッチを繰り返し押すと、ライトの色が赤、青、黄色と変化する仕掛けが施されていた。

こうした部屋の家賃相場はたいてい、地下部屋の約2倍だ。つまり比較的予算がある者は日の光を求めて上層階の区切られた部屋を借り、最低限の予算しか持たない者は薄暗い地下室を選ぶ。様々なニーズに応えるため、 改造された物件は少なくない。

仕切り部屋は地下だけでなく上層階にも。個人仲介業者の物件には、キッチンにベッドが隣接された部屋もあった