〈後編〉北京の蟻と鼠は大成を夢見る


個人仲介業者の男性。炎天下にも拘わらず、様々な物件を見せてくれた
個人仲介業者の男性から入手した名刺のウラ側。様々な部屋を取り扱っていることが分かる

吉林省出身、60代の彼はこの仕事をアルバイトだと説明した。故郷で引退したのち、30代の息子と2人で上京。父親の彼は昼間、持て余した時間を物件案内のバイトに費やしている。息子は未婚で、不動産の営業マンとして働く。基本給は5,000元。順調な月には10,000元いくことも。故郷には既に自らの家を構えてあるため、北京に定住するつもりはなく、貯めるだけ貯まれば帰郷するつもりらしい。地下室を見せて欲しいと頼むと、あるマンションまで導かれた。上は20数階まで続くマンションの大半には、やはり地下室が広がっているという。

半分地下というだけあって、窓がある。このおかげで換気ができ、陽も差し込む。この有無は雲泥の差だろう

紹介された地下室は地下1階であることと、天通苑には新しい物件が多いことから、環境は比較的悪くない。確かに部屋の隅には、地上がチラリと見える程度の窓がある。これが看板にもあった「半地下室」だ。

部屋と部屋を繋ぐ通路は、天井を走る配管にかけられた衣類で溢れかえっている。住民はここに洗濯物を干すという。部屋の大きさはいくつかあり、一番狭い部屋で、ベッド1つしか入らない1.5畳程度のスペースだ。広い部屋で3畳程度。ベッドに机、物置棚とクローゼットが置かれていた。