〈後編〉北京の蟻と鼠は大成を夢見る


我々はネズミ族の姿を確かめるため、まず天通苑という場所を訪れた。北京市の北部、郊外に位置する天通苑は、2003年に経済適用住宅向けの土地として開発が進んだ地区だ。現在は経済適用住宅が地域物件の9割を占める。

この経済適用住宅というのは、中低所得者層の住宅問題を解消するため、国家が資金援助を行い構築された住宅を指す。本来であれば費用対効果の高い物件のはずが、わずか10年で地価は10倍以上に高騰してしまった。その結果、中低所得者が手を出すにはもはや高額すぎて現実的ではなくなった。近ごろでは、より広い家を求めてやってくる都市部住まいの高所得者が主な顧客となっている。

路地には無数の看板が立ち並んでいた。部屋のタイプは5つあり、最安値が「半地下室」。150-600元が相場だ

市街地から見れば距離は離れているものの、交通面では地下鉄5号線がある。生活用品にしても、近所の大手スーパー「華聯超市」が解決してくれる。子どもは、天通苑小学校や昌平一中学校に通わせれば良い。整った近隣施設は、天通苑の人気上昇にも一役買っている。