東北の森で野ジカを追い、その暗がりに太古日本のクオリアを見出す


神鹿信仰と謎の神 荒覇吐

まず神鹿。奈良にある春日大社の記録によれば、8世紀に平城京を守るため、茨城県の鹿島神社から武甕槌命(たけみかづちのみこと)が白鹿に乗って奈良県は春日の御蓋山(みかさやま)に辿りついたという。以来、鹿は神使として東から西まで手厚く保護されるようになる。

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次に荒覇吐神。〝宇宙服を着た人〟のように見える遮光器土偶の姿形でしばしば描かれる荒覇吐は、起源などが不明の古い神だ。主に東北で奉られ、それ以外では客人神(まろうどがみ)として受け入れられる状況は、かつて東北の地を離れて奈良へと渡った武甕槌命と神鹿の話に近しくも感じられる。