現代の女性たちにかぐや姫の自由奔放さを見るインベカヲリ★


——テーマの「竹取物語」はどこから?

まずタイトルを100個ぐらい考えたんです。でも、どれも酷すぎて見せられる代物じゃなかった。私は一句詠むような感じでタイトルをつけたかったから、図書館で川柳の本を借りてきたんですね。そしたら「桃から生まれて 保証なき人生が始まる」っていう現代川柳を見つけて、カッコイイと思って。そこからですね、『やっぱ月帰るわ、私。』が出てきたのは。

——なるほど。

あと『竹取物語』に出てくるかぐや姫って、すごく自分本位な女なんですよね。「崖に咲いた花を取ってきたら結婚してあげる」とか無理難題を押しつけて、男を振り回す。ついには死者まで出ちゃって。最終的には、誰のことも選ばずに「やっぱ私、月の住人だったわ」って思い出して帰ってしまうという。冷静に考えれば、ヒドい話で。

『ブラとロマンと六法全書』(2004年)※本書未収録作品 Copyright © Kawori Inbe

——言われてみれば相当なビッチですね、かぐや姫。

でもそれって、言ってみれば〝自由奔放なエネルギー〟というか。なんだかもう、とにかくスゴイな!って。私の写真も同じで。モデルの女の子たちが抱える破天荒さも含めて、ひとつのエネルギーで。それをポジティブに捉えたかった。そういうことを、写真集のタイトルやデザインもひっくるめて出したいっていう想いはありました。

そもそものモデルたちが、世の中に生き辛さを感じている子たち。それが自己表現の衝動に繋がっているとも思うんです。だから日常生活では出してない彼女らの本来の姿が写っているという意味では、「月に帰ってる」とも言えるんじゃないかなって。