始まりへの旅

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今年4月、母方の従姉妹がなくなった。上京していた彼女は食欲不振から腸捻転を起こし、ひとり部屋でなくなっていたという。二十代半ば、家族を持たずして旅立っていった三姉妹の三女。葬儀に駆けつけられなかったため初盆に帰省するという母と話し、私もついていくことにした。すると父も一緒に行くという。4年ぶりの会津田島はまたしても家族での訪問となった。 続きを読む

祖父との記憶

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物心つく頃から、店の裏口が秘密基地だった。

祖父と父が経営する自営の薬局では、納品された薬の段ボールが山のように出る。そのひとつに身を潜めながら、妄想に耽る幼少期を過ごした。両親は共働きだったが、兄と私を鍵っ子にさせたくない思いから、放課後から店を閉めるまでは店の裏手で遊ばせるようにさせていた。 続きを読む

祖父との対話

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「ともくんさ、つぎ来るとき、しめ縄交換してくれない?」

先日、祖母の下を訪れた際、そう頼まれていた。年内には交換したいということだったので、週末らしい用事のひとつとして、祖母宅に立ち寄ることにした。あらかじめ電話で確認すると、新しいしめ縄はちょうど今朝、買ってきたところだという。 続きを読む