秋田の限界集落に赴き、「朽ちていく写真たち」を見てきた。

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「ハイ、着きましたよ!」——。早朝から電車、バス、飛行機、バス、バスといくつもの移動手段を駆使した挙げ句、いよいよ睡魔に襲われ始めたころ、ようやく目当ての村に着いた。 続きを読む

白雪の青年が試みる、血と大地との言葉なき対話。

まるで白雪をかぶったかのように白く染まった、無垢の表紙。ひとたび開けばページの余白すらほっこりとして愛らしい。控えめだが、ずしりと響く装丁は積雪のよう。写真集『吹雪の日/凪の海』は1984年生まれの若き写真家、山下隆博さんが綴る、と或る2人の芸術家の目を通して見た、故郷・北海道とそこに暮らす家族たち、そして原発にまつわる作品だ。山下さんの言葉にヒントを得ながら、写真家が故郷から導かんとする物語を紐解いてみよう。 続きを読む

濱田祐史は少女に問われ、目に見えない光芒から天地創造の景色を暴露させる。

写真家、濱田祐史さんにとって初となる作品集『photograph』は、いわゆる「光芒」を題材にしたものだ。たとえば晴れた冬の早朝、高くそびえる山の上では朝霧に包まれ、雲から大地に向かって放射線状の光がもれることがある。そんな神秘的な光景を、もっと身近な風景に見出そうという試み。それが濱田さんの『photograph』である。そして「光芒が伸びた景色」が本書では、全編にわたって続く。 続きを読む

アダムの肋骨から、イヴは生まれなかった—。知られざるもうひとつの創世記

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写真家、岡部桃さんの『バイブル』。ハードカバーの大判写真集にしては、中の写真は予想を裏切るほど荒削り、よく言えば大胆だ。なかは裁ち落としの写真が並び、それらはどれもカラーフィルターを挟んだかのように、赤、青、橙、黄、緑、紫と、いわゆる虹色のどれかに染まっている。 続きを読む

写真をメイクアップ!? 前代未聞のコラボワーク、襲来。

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フォトグラファーの新田桂一とヘアメイクアップの冨沢ノボルが、2人展『DOUBLE EXPOSURE』を4月21日から、新丸ビル7階の丸の内ハウス ライブラリーにて開催。本展でお披露目となるのは、新田桂一が撮り下ろした写真と、その上から冨沢ノボルがメイクアップを施した作品という、なんとも贅沢な〝二重露光〟(Double Exposure)コラボーション・アートワークだ。 続きを読む

フランスはパリ西部の森に生息する妖しくも艶やかな貴婦人たち

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〝森で女に誘惑される〟。かるく現実離れしたこのシチュエーション、ともすると小説にこそ相応しい響きだ。男性諸君は好奇心をくすぐられる反面、現実にあるものとはつゆほどにも信じないだろう。しかしこれが世界のと或る場所で、実際に起きていることだとしたら……?今回紹介するのは、フランスはパリ西部に広がるブローニュの森に夜な夜な出没する、妖しくも艶やかな貴婦人たちの物語である。 続きを読む

写真界の暗黒超新星が世に放つ、夜闇の世界。

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黒い布が無造作に継ぎ接ぎされた、この本。若き写真家 山谷佑介による自主出版写真集『Tsugi no yoru e』(次の夜へ)だ。カバーは知人に頼み込んで1冊ずつ布を縫い付けたという。反骨精神丸出しの写真集は、まるで鋭く尖ったパンクスのヘアースタイルのようでもある。実際、山谷は写真家となる前、パンクロックに傾倒したクチだ。 続きを読む

現代の女性たちにかぐや姫の自由奔放さを見るインベカヲリ★

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「ポートレートは鏡だ。それはあなた自身である」。ドイツ写真の第一人者、アウグスト・ザンダーがそう語ったかどうかはともかくとして、1822年の或る日、フランスの地でニセフォール・ニエプスがボトルやグラスの並んだ食卓を半日かけて撮った1枚から始まった写真技術が、古くは紀元前1世紀のミイラ肖像画まで遡れる肖像画の長い歴史を緩さぶったのは歴然たる事実だ。 続きを読む

東北の森で野ジカを追い、その暗がりに太古日本のクオリアを見出す

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東北の闇夜に浮かぶ上がる一筋の閃光。時空を越えて太古の日本人に我々の精神が重なったとき、そこに神鹿と荒覇吐(あらはばき)が姿を現わす。日本の写真とはなにか—? 自らの手と足でそれを追い求める写真家、田附 勝の東北冒険譚、その深層をたどる。 続きを読む

大橋 仁、人類の明るい繁栄のため全財産をはたいて酒池肉林を撮り収める。

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3rd写真集『そこにすわろうとおもう』を刊行した写真家・大橋 仁に訊く、写真を数で表現すること、恐ろしくホラーなご先祖様との意外な関係、果てには人類がいかに愚かでクズで無能かまで。ロングインタビュー、後編。 続きを読む

チョココロネの王権復古を目指す相澤心也

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オレがこの世でキライな食べ物は2パターンある。ひとつが、ケチくさい構造をした食い物。そしてもうひとつが、どうやって食ったらいいのか分かりにくい食い物だ。ちなみにケチくさい食い物はたいていなんらかの皮で具が包まれていて、具が果たしてどれくらい入っているか把握しにくい構造になっている。この2つの条件を見事クリアした食べ物として、チョココロネを挙げたい。あの、巻き貝のカタチをした憎たらしいパンだ。 続きを読む

森村泰昌はホンモノを観ないことで培える感受性を芸術に〝ヘンタイ〟する

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芸術家、森村泰昌は〝空想が好き/芸術は食べられる〟という思想のもと、ゴッホの自画像や名作『モナ・リザ』、フリーダ・カーロの自画像、挙げ句の果てにはピカソの絵といった絵画のモチーフに〝変態〟する(つまりゴッホやモナリザに扮装するってことだ)。 続きを読む

サイケデリックなドラッグ仙人のワナ

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ローの写真は不思議だ。人や動物、風景、建物といったスナップ写真がゴチャ混ぜにミックスされているんだけれど、そのどれもが断片的で説明しがたい。とにかく抽象的なスナップの集まりなのに、それでもなんらかのストーリーを物語ろうとしてくるんだ。 続きを読む

写真の神様が導き出した幸福論

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出した写真集、実に450冊以上。なおも現役で写真を撮り続ける〝写神〟。アラーキーこと、荒木経惟。エロの権化でもあるアラキの写真は湿気タップリ。常にビショビショ。アラキ・マジックにかかると、花や水道管、そして地面の割れ目すら〝突起物〟や〝割れ目〟みたいだ。「新世界、発見!」って感じ。そんな写真家、世界中を駆け巡ってもいない。
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